2008-01-19

【淡い光に魅かれていても】

「1つ・・・ふたぁつ・・・。」

ゆっくりと屍のの中を歩いていく者一人。
何も無い空間を指差しては嬉しそうに笑っている。

「みぃ〜っつ・・・ん?」

少女は突然足を止めた。

「ん???」

その小さな足で地べたに転がっている「モノ」を蹴る。

「っぐ・・・。」

それから漏れた小さな声。
途端に少女は不機嫌そうになる。

「こいついきてる〜。」

口調は子供ぽいが、しかし、その表情を見ればとても「子供」のする顔ではない。
感情というものを知らぬかのような冷え切った瞳。
世界の全てを見下している。
少女は、もう一度その「モノ」を蹴る。

「ねぇねぇ、死なないの?」

その問いに答えるかのように銀色のそれは手を伸ばす。

「返せ・・よ。」

少女のその小さな手を掴もうと、その少女から何かを取り返すかのようにその手を・・・。

「還せ。」

淡く光るその光を還せと銀色の少年は繰り返す。
伸ばした手は力つき、再び地面へと落ちてゆくがまた少女に向かって伸ばす。

「いや!」

「こら、お前・・・とっくに死んでんだろうが。」

生前はこの世の憂いなど知らなげに笑っていた少女。
なのに・・・。

「それ・・・持っててもお前には何の得もねーよ。」

一か月前に山へと遊びに行ったまま一人帰ってこなかった。
仲間で手分けして探したが結局見つける事が出来ずにいたのに。

「ほら、かえ・・せ。そしたら、おれ・・・もそいつらもおこらねーか・・ら。」

銀色の少年・・・銀時は必死に少女に手を伸ばす。

「わたし、おまえのことしらないもん。それにね・・・。」

少女は光をそっと掌に乗せたまま生前のように笑う。

「みんなとあそぶんだもん。」

その言葉は極々「普通」の言葉であるのに、

「だからね、還せないの。皆、ずーっと一緒なんだよ。」

何故こんなに恐ろしいのだろうか。
銀時は賊に負わされた腹の傷を庇いながら最後の気力を振り絞って、起きあがった。

「こら、いい加減にしろよ、お前。んなことしたって駄目だろ。
そいつらも、お前も救われねーんだぞ。」

「・・・・。」

初めて少女が驚いた表情を見せる。

「あぁ。」

しかし、次の瞬間にはまた嬉しそうに笑った。

「ぎんときだ。」

その声に、その顔に銀時は背筋が凍りそうになる。
ごくり、とつばを飲み込んで・・・一歩少女へと近づいた。

「ねぇねぇ・・・。」

少女もまた銀時へと一歩近づいた・・・その時。

「悪霊退散っ!!」

何処からか飛来した札が少女の額に貼りつく。
その瞬間少女が手にしていた光は放たれ、散り散りに何処かへと飛び去った。
残されたのは少女と銀時、そして

「大丈夫ですかっ!?銀時!!」

珍しく慌てて銀時の元へと走ってくる松陽。

「うるせーよ。」

銀時は松陽に視線など向けずに、霞んでゆく少女を見つめていた。

「うるさいとは・・・・これはまた・・・。」

松陽は銀時の隣に屈んで、少女と視線を合わせた。

「今は、どんな気分かな?」

「ごめんなさい。」

松陽に問われ少女が口にした言葉は懺悔だった。
繰り返し、謝る。

「ぎんとき、ごめんさい。」

「わーったって。」

「あのね、あのね。」

「ん?何だよ。」

「わるいひとたち、いっぱいいたの。」

「うん。」

こうして話している間にも霞んでいく少女に銀時はもう一歩近づき、視線を合わせた。

「それでね、つかまってね。」

「ん。」

そこにあるのかは分らないが・・・視えている少女の頭を銀時は撫でてやった。

「にげたんだけどね、でもね、でも・・・。」

「わーったから、それ以上言うな。うん、守ってやれなくてごめんな。」

銀時がふと視線を落とすと

「ちがうよ!!ぎんときは、わるくないもん!!わるくない!!
いつもわたしたちまもってくれて、いっぱいけがして、いっぱいいたいおもいしてたもん!!」

先ほどまで下を向いて泣いていたのに、その顔をあげて銀時を真っすぐと見た。

「わたし、さよならしなくちゃいけないけど、でも、ぎんときわるいとおもわない!
しょうようせんせいも、ありがとう。」

最後に・・・最期に松陽へと視線を向けると少女はその瞬間に姿を消した。
ひらり・・・と札が床に落ちるのと同時に、銀時も床へと仰向けに寝転がった。

「まったく、こんなに怪我して。」

その隣に松陽は座ると、何処から取り出したのか救急箱で銀時の手当をしだした。

「あんた、あんな事も出来んだ。」

「あぁ、お札の事ですか?あれは、家にあったのを持ってきたんですよ。
いやいや、見よう見まねで出来るものですね。」

ははは・・・と笑う松陽に銀時は呆れた視線を向けた。

「出来なかったらどうするつもりだったんだよ。」

「その時は・・・銀時庇おうと思ってましたよ。」

はい、出来た。と松陽は言うと、銀時を抱っこした。

「降ろしてくれ。」

「駄目です。」

そんな事したら、君、絶対に傷ほっとくでしょう。

松陽は問答無用で町医者の元へと足を進めた。

「なぁ、どうしたら大切なもん守れるようになるんだ?」

既に、2度全てを無くしている少年のその言葉はとても重くて。

「そうですねー。一緒に強くなる勉強でもしますか。」

一度しか大切なものを無くした松陽にはそれしかいう事が出来なかった。


【淡い光に魅かれていても】

まだ、僕らはそこには行けない。



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 ふっわぁぁぁぁぁあ!!!

何でこんなちょこっとホラーみたいなの書いたんだっ!?
書いてて自分で嫌だった・・・。

色々分んない。
迷路だ。
複雑だ!!

説明という名の懺悔(?)

設定的に銀さん8歳か、10歳の時ぐらいで。(年表何処かにやっちゃった。orz)
銀さんは既に松陽先生と面識はあったんだけど、それだけ。
たまーに銀さん達「孤児」が住んでいる家に現れたは、子供と遊んで行ってたってぐらいで。

初めての出会いは、松陽先生が・・・ってのは今度書きます。

これ、続き書いた方がええかなぁ。
あ〜、とりあえず今は無理なんでそのうち。

*転載禁止です。